家族の健康と環境に優しい住宅を建てるために知っておきたい知識! |
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7.屋内外の空気汚染の歴史
1970年代、日本では「光化学スモッグ」の被害が社会問題になった。
70年の1年間で子供達を中心に約2万人にのぼった。
当時、光化学スモッグは「新型公害」と呼ばれていた。
同年7月、東京都はアメリカ・ロサンゼルスについで世界で2番目の
「光化学スモッグ注意報・警報制度」をスタートさせ、8月には大阪府・大阪市が
これにつづいた。
しかし、クルマの排ガスによる大気汚染はいまだに改善されることなく、
90年代後半になっても、夏になると「光化学オキシダント注意報」が発令されている。
次の汚染はビルの中の空気だった。
1973年のオイルショックの後、ヨーロッパで「シックビル症候群(SBS)」という
原因不明の病気が集合住宅の居住者に多発した。
オイルショック後の省エネ対策で、ビルの管理会社が大幅にエアコンの使用を
抑制したためにビル内の空気が十分に換気されなかったのだ。
1990年代のアメリカでは、週末に空調の電源が切られたオフィスで
同じような被害が続発した。
月曜の朝、出勤してきたビジネスマン&ビジネスウーマンが仕事をはじめると
目がチカチカ、頭がズキズキ、胸がムカムカ。
原因は、暖房設備による二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物。
ビルのメンテナンスに使われる有機溶剤や化学洗剤、消毒剤、殺虫剤。
建物の内装に使われた建材のホルムアルデヒド、アスベスト。
それに、カビ、ダニ、タバコの煙などによる空気汚染だった。
いまから50年前(1950年代)、新築の家の玄関を開けると清々しい檜や杉の
香りや、かぐわしい畳のにおいがした。
いまから30年前(1970年代)、シンナーのニオイが鼻をついた。
そのころ多用されていた油性系塗料のニオイだった。
そして今、新居は甘酸っぱい酢酸のニオイにつつまれている。
しかし、ニオイを感じられるのはまだよいほうなのだ。
無色透明・無味無臭の、わけのわからない化学物質が、複合的に進入している。
1970年、光化学スモッグと硫酸ミストによる大気の複合汚染で、
東京・杉並区の女子高生たちがバタバタ倒れたとき、専門家達は
「できるだけ屋外に出ないで、家の中にいなさい」。
ところが、いまや、最も安全だと思われていた家の中がアブナイというのです!
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