家族の健康と環境に優しい住宅を建てるために知っておきたい知識! |
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6.国産材はすぐれている
木は、森の中で自分の体を大きくしながら、何百年も生き続けます。
何十トンという重さになる枝や葉を、幹で支え、風や雨はもちろんのこと、
病害虫にも立ち向かわなければなりません。そのための方策を木は持っています。
ここで特に問題になるのは、菌や病害虫です。
日本は湿潤な気候のため、カビ(腐朽菌)が発生しやすく、またシロアリなどの害虫も
たくさんいます。
これらに対処するため、木は独自の対策を行い、身を守っています。
それが、防腐・防虫成分です。
スギの木を伐ると、周辺は白いのですが、中心に行くに従って赤みを帯びているのが
わかります。
この赤みは、カビの発生を妨げ、またシロアリを遠ざける働きを持っている
物質なのです。
またヒバや桧の芳香は、ヒノキチオールという、特に防腐・防虫効果を持った
物質の匂いであることはよく知られています。
ヒノキ・ヒバなどはこのような物質のおかげで、害虫や腐朽菌に対して非常に強く、
土台などに使うにはもってこいです。
このように、日本で育った木には、日本の環境に特有の病害虫に対する防御策が
備わっているのです。
また、森林総合研究所では、シロアリの巣にスギ心材とホワイトウッドを投入して
比較した実験を行っています。
それによると、ホワイトウッドは一ヶ月でほとんど形をとどめないほどになって
しまいますが、スギはほとんど被害を受けていません。
腐朽菌に対する抵抗力=「耐朽性」も、スギの心材やヒノキに比べると外国の
ベイツガ・ベイマツ・ホワイトウッド等はやはり劣ります。
このような木材でも防腐・防蟻加工(防腐剤を加圧注入)をほどこしているので
問題はないとされるかもしれません。
しかし、防腐剤には、有害物質が含まれており、後々の廃棄処分まで含めて考えると、
環境への影響も大きな問題になります。
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【発展途上国の違法伐採】
よく知られているように、一部の発展途上国では、輸出のために森が無計画に
伐採されています。
インドネシアでは産出木材の五割が違法伐採だという調査結果が出ていますし、
ロシア極東(シベリア)地区でも違法伐採が相当の割合を占めているといわれます。
地球規模の環境破壊となるこれらの問題に対して、国際会議における協議や、
NGOによる監視、森林認証制度の導入などの対策がなされていますが、
木材は伐ってしまうと出所がわからないため現行犯逮捕に頼らざるを得ず、
また途上国は外貨獲得を木材などに頼る部分が大きいため消極的な
姿勢をとるなど、問題解決は容易ではありません。
日本や中国などの木材輸入大国が、この環境破壊を促進している面は大いに
あります。
近年、製紙会社など木材輸入の大手には、外国での植林を行い、
そこから輸入するなどの対策を採っているところもでてきました。
しかし、大半は安価であれば出所を問わず購入する状態にありますし、
問題になっている地域のものでも、第三国を経て出所がうやむやにされ輸入
されている木材も多くあると言われています。
地球温暖化対策の国際的高まりの中で、今後の木材貿易は、
様々な規制が掛けられていくことになるでしょう。
そのためにも、木材自給率を高めることは緊急の課題です。
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