伊豆の木で家を建てる会 (健康な暮らしと環境のための情報誌)
【山林が手入れされず荒廃している】
1.やすらぎをもたらす木の空間    2.学校でも見直される木
3.健康で安全な木造建築    4.木の家は地球温暖化を防ぐ
5.国内外の木材の現状と地球温暖化    6.国産材はすぐれている
7.屋内外の空気汚染の歴史    8.シックハウス症候群
9.地元の杉・桧を使った木と土の家に住む(天城の家)   10.国産材(杉・桧)と土で家を建てる!
11.国産材(杉・桧)で建てる家は高いのか?

家族の健康と環境に優しい住宅を建てるために知っておきたい知識!

 

「伊豆の木で家を建てる会」理念

私達は、家を建てるご家族の健康と、自然環境のの持続可能性を考慮した住宅を作っていきます。

そのために、化学物質を発散させ、健康上問題のある新建材は使わない事。
そして、なるべく近くの山の木使い、その他、漆喰など自然素材を多用した自然素材の家を建てます。

定期訪問などアフターメンテナンスを充実させて、100年かけて育った木は100年もつように使う。
そして、木材を伐採した場所にまた植林して、その植林した樹木が成長し、建築材料として使えるまで、
家をもたす事ができれば、循環型の持続可能な住宅環境をつくる事が出来ます。

地元の材料を使うことにより、輸送コストなどトータル的な環境負荷も減らしてゆき、
また出所のはっきりした自然素材を使うことにより、住む人の健康と心の安らぎを増進する。



【山林が手入れされず荒廃している】

私が東京でのサラリーマン生活を止め、伊豆に戻ってきたのは平成3年1月のことです。
当時、母がガンに侵されていることが病院で発覚したのをきっかけに、
実家の製材業を手伝うために戻ってきました。
それから15年近く経ち、社長の父も病気のためリタイアし、自分が中心になり
事業を進めるようになりました。
杉・桧などの国産材も以前は社長の父が仕入れていましたが、私が担当するようになり、
山林を見るために山に登る回数が増えました。
そして地球環境の悪化を山で実感しています。

近年、日本列島を直撃する台風の回数や、梅雨前線による豪雨などが多くなり、
土砂崩れを起こしている山を多数見つけます。
それは、地球温暖化等による降水量の増加の影響も大きな要因ではありますが、
木材を扱う私どもが、最も身近に感じる要因として、山林に杉・桧を植林したまま、
間伐や枝打ち等、山の手入れがされなくなった事があげられます。
私が山を見に行くと、間伐が行われず細長く貧弱に伸びた桧や杉の林が
多数見受けられます。
その様な木は密集したまま間伐が行われていないため、根が張れず地盤が弱く、
強風で簡単に倒されたり、豪雨による地すべりを起こしたりします。

なぜ伊豆だけでなく日本の山林がその様な状況になったのでしょう?
一番の原因は円高になり、外国の安い木材が大量に輸入された事による国産材の
需要の減少があります。
現在は中国など新興国の木材需要増加や原油高により、木材の単価自体はそれほど
変わらなくなっているにもかかわらず、木材の国内自給率は20%を割る状態が
続いています。
この荒廃した山林や家に住む家族の健康を考え、私は国産材中心の自然素材住宅を
提唱しています。