コラム
@地域に根ざした住宅つくり
ALOHASなライフスタイルへ
B無垢材で家を建てるために必要な事
C無垢の国産材で家を建てると高いのか?

流行に左右されない長く住める家!

 

【無垢材で家を建てるために必要な事】

 丸太から製材されたばかりの木材は、多くの水分を含んでいるため、その水分が
抜ける過程で収縮し変形します。これを「木が狂う」といいます。

 しっかり建築施工された家でも、乾燥が不十分な木材を使用した場合、時間とともに
狂いが現れ、意匠ばかりでなく、木材の接合部にガタがきて、構造的にも問題が
生じる恐れがあります。

 木材の狂いは、木材の細胞壁に含まれる結合水が抜ける段階、(含水率約30%)
からおこります。
 樹種や木の挽き方によっても異なりますが、生材から製材し、気乾状態(大気の
湿度と平衡状態である、含水率15%位)までの収縮量は2〜8%に達します。

 高含水率の木材、特に辺材部(丸太の表面に近い部分)は、カビが発生、変色
など、腐朽の原因となる症状が起こりやすく、特に注意が必要です。

 木材の乾燥にも色々ありますが、最近、葉枯らし乾燥が見直されてきています。
葉枯らし乾燥は、杉・桧など伐採した木を枝をつけた状態で、2〜3ヶ月程度放置し
葉からの蒸散作用で木の内部から水を抜く事です。


 葉枯らし乾燥は、あくまで予備乾燥で、丸太を製材した後、また乾燥させなくては
いけませんが、丸太の中心部と外側の含水率の差が縮小し、製材後、乾燥時の
割れや狂いが少なくなり、色艶が良くなるなどのメリットがあります。

 私どもでは、葉枯らしをかけた丸太を大きめに製材し、1年位かけて自然乾燥し、
注文があった時点で狂い挽きをしてから出荷します。

無垢の国産材を使うためには、それなりの手間がかかります。

 またこれだけ手間をかけても、自然の木材は工業製品のように均質ではなく、
癖もあります。
しかし、、その自然の木が生来もっている癖を上手に使う知恵も職人の大工さん
は持っています。


 例えば構造材で横に使う梁などは、木の背の部分が上に来るように使うと、
たわみにくく、丈夫になります。
 また、胴差しや梁などは、木を見て反りそうな材料は、内側に反る様に使い、
内部で突っ張るように桁を入れ込んで組みます。

 このような判断は、現在、構造材加工の主流になってきているプレカットでは
出来ない事です。
やはり長年の経験を積んだ職人である大工さんの手による加工の過程が
不可欠です。

またプレカットの木材の継ぎ手などの刻みは、金物に頼った加工で、大工さんの
加工より本来の木材の継ぎ手の力は弱いと思います。
近年、金物に対して建築基準が厳しくなったのは、プレカット加工が多くなった
のと無関係ではないと思います。

 無垢材は丁寧に使えば、100年は十分にもつ素材です。
専門家と相談し、上手に使ってください。
それが、環境保護と家族の健康につながります。

 最後に重要な事ですが、内装に無垢の木を使用する場合、その木材を近くに
置いて、アレルギー症状が出ないか確認するほうが良いと思います。
桧などに含まれる香りの成分、ヒノキチシオールなどは、良い匂いがして、まるで
森林浴にでも来ているような感じでとても安らげます。
また、防虫・防カビ効果もあり、ダニやカビを防ぐ優れた成分ですが、中にはその
成分にアレルギー反応が出る方もいます。

事前に確認しておけば、建築してからのトラブルも未然に防げます。