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 なぜ今、自然素材住宅を作る方が増えているのでしょうか?


  以前は住宅は持ち家がある事で満足しその内容まで検討されなかった感があります。
 昔のお父さんなどは仕事ばかりで、家は休むためだけに帰るという様な人が大勢いました。
 今、住宅は自分のライフスタイルを家族とともに実現させる表現の場だと思います。

 ここ数年LOHAS(ロハス)という言葉を新聞や雑誌でよく見ますが、私はこのLOHASの考え方に 共感しました。
 LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)つまり、健康で環境にたいする 持続可能性を考えた
 ライフスタイルの事です。

  経済的豊かさだけではなく、家族の健康や自然環境について考慮しながら生活や消費活動を行う人が
 増えているのだと思います。
 しかも環境負荷の事を考えて消費生活を我慢するのではなく、 環境や健康に良い商品やサービスを
 選択することにより、楽しく、おしゃれに環境負荷を減らそうという考え方です。

  住宅もただ坪単価いくらかやキッチンなどの設備だけで決めるのではなく、自然志向の人は、国産材を中心に
 自然素材を使い、化学製品の建材を出来るだけ使わない住宅を建てる方が 増えています。

  今までは意識の高い一部の方たちだけの消費行動でしたが、わたしはこのLOHAS的な流れは
 一時的なブームではなく新しい流れとなり、日本全体に浸透し、LOHAS的な消費行動が当たり前で
 LOHASなんて言葉自体いらなくなる日が来ると思います。
  住宅なども形はどうであれ、住む人の健康や自然環境を無視しては成り立たなくなって来ていると
 いう事だと思います。


 「木材のプレカットをおこなうことにで現場の効率を上げ、工期を短縮して、
 結果的にコストを抑える」とうたってあるところも多いようですが、
 プレカットの長所・短所を教えてください。



 最近は建築業者もプレカットを業者に発注する例も増えてきました。
 しかしプレカットには長所・短所があります。長所としては工期が短くなり職人が手で加工するより
 工事費を安く抑えられることです。
 しかし、それほど期待どうり安くなるわけではありません。
 なぜならプレカットは構造体部分ですが、総額に占める構造体(基礎も含めて)の価格は
 約30%をきっていますしプレカット部分は約20%を切ります。

  短所としてはプレカットの加工自体が機械で一定範囲の加工しか出来ないため腕の良い職人ほど
 丈夫な加工は出来ません。
 一番以前から言われているのが、柱のホゾが短いことです。
 構造材で横に使う桁も一般に鎌(カマ)と呼ばれる継ぎ手しか出来ません。このような欠点を補うため、
 多くの金物や構造用の合板が発達したともいえます。

  自然素材を使うときの問題として、プレカット長年の経験がある職人ではなく、工場従業員が
 流れ作業で加工するため、木のクセを見ながら加工するということが出来ないことです。
 木は自然のものですので曲がったり、縮んだりするものです。長い経験を積んだ職人の大工さんは
 木のクセを見て使う場所や使い方を決め、用途に合った加工を施します。
  プレカットも進歩していますし、構造材を固定する金物も進歩しています。
 建築業者が抱えている職人のレベルの問題もあります。
 現在は職人の手加工よりよりプレカットの方が多く、慣れていない職人よりプレカットのほうが
 家のために良い場合もあると思います。

  建築業者とよく話し合い予算の事も考えてご自分で判断するのが良いと思います。
 私どもの会社ではプレカットは使わず、大工さんに手加工してもらっています。長持ちする丈夫な家を作れば、
 25〜26年で建て替える安い家より1年あたりのコストは安くなると思うからです。


 木造住宅って100年ももつのでしょうか?


 100年先を考えるのは気の長い話ですね。
 一般的な坪単価の住宅では100年というスパンはあまり考えられないと思います。
 しかし、自然素材住宅の考え方の一つとして、なるべく近くの山の木を使い家を建て、
 伐採した場所にまた植林し、その植林した木が成長した頃、家を建て替えるという理想があります。

  そのためには最低で50〜60年、理想でいえば80〜100年位、住宅をもたせたいものです。
 家を長くもたせるためには、建てた後のメンテナンスを適切に行うことです。
  給湯器等の設備機器は10年〜15年程度で取り替えられたりしますが、家そのものは定期的な
 塗装の塗り替えなどのメンテナンスにより80〜100年位はもつように出来ると思います。
 ただ初期投資が安いだけでなくメンテナンスなどのトータル的なランニングコストも考えて
 家を建てるべきです。

  問題は躯体の耐久性など物理的寿命だけでなく、生活的寿命、心理的寿命などもあることも
 考えなければいけません。
 生活的寿命とは子供の結婚などで家族構成が変わるとか、長年住み続け家具など物が増え
 家が手狭になったりすることです。
  心理的寿命は家でその様な事はないと思われる方も多いいと思いますが要するに
 飽きてしまうことです。リフォームの案件をみると案外まだ使えるのに使い勝手が悪いなど色々理由をつけて
 工事を行うケースが多々あります。

  人間も動物なので化学建材を多用したような家は飽きが早いようです。
 自然素材を使い家を建てるプランの段階で、将来的なリフォームなども考慮にいれながら、
 じっくり設計士さんと相談しながら後々、後悔しない家が建てられるように時間をかけて
 いただきたいと思います。

  これからは家は25年位、住んで解体する耐久消費財ではなく、80〜100年あるいはそれ以上
 使える資産として捉え不動産会社もメンテナンスの行き届いた家はそれなりの査定ができる
 家を見る目を養っていただきたいと思います。
 そして家を建てたいと思っている方も、目先の金額だけにとらわれず、100年位先まで考えて
 家を建ててほしいと思います。
  現在の日本の平均住宅寿命は25〜26年ですが、始めにしっかりした家を建て、定期的に
 メンテナンスすれば4倍もち続け孫の代まですみ続けられる家も夢ではないと思います。
 

 建築基準法が改正されシックハウス対策が盛り込まれましたが、
 どのような内容なのでしょう?



 平成15年の建築基準法改正に盛り込まれたシックハウス対策は、何も対策をしてこなかった住宅会社には、
 作り手のレベルを上げるために有効かもしれませんが、十分な内容とはいえません。
 このため消費者の皆さんが、法律を遵守すれば、シックハウス対策 は十分だと誤解してしまうのは、
 とても怖いことです。

  厚生労働省が、住宅内の空気を汚染する有害化学物質とその室内濃度指針値を発表し、
 それには13種類の化学物質とその指針値が示されています。
 しかし、この建築基準法改正では、この中のホルムアルデヒドとクロルピリホスだけが、
 規制の対象になりました。 (クロルピリホスは使用禁止)
 つまり残りの化学物質に対しては規制されていません。

  建築基準法ではホルムアルデヒドの発散量が少なく使用制限のない建材を「F☆☆☆☆」(フォースター)とし、
 この「F☆☆☆☆建材」しか使わないことをアピールする住宅会社がたくさんいます。
 しかしこのF☆☆☆☆建材はホルムアルデヒドを発散しない建材ではなく、あくまで発散量の少ない建材なのです。

  たとえすべての建材をF☆☆☆☆建材にしたとしても、ホルムアルデヒドの発散量が規制以前より減少する
 程度で、すべての化学物質の発散量が減少するわけではないのです。
  本当に家族の健康を考えるなら、建築基準法の規制は最低水準として、それ以上のシックハウス対策を
 考えてくれる住宅会社に頼んで、ご自身も勉強して下さい。
 

 地元の木材を使うメリットはなんでしょう?

 第一につは健康面、第2に環境面ということになると思います。
 
 健康面に関しては、体の健康と心の健康があるとおもいます。
 体の健康に関しては、皆さんご存知の通り、シックハウス症候群の問題が大きいと思います。
 その症状として喘息・鼻づまり・呼吸困難などの気道症状。痒み・発疹などの皮膚症状。
 頭痛・眩暈(めまい)・集中力欠如などの中枢神経症状。ドライ・アイなどの眼症状。
 そのほか全身の症状として、倦怠感や疲労感などの諸症状があります。

 シックハウス症候群は、化学建材や接着剤、塗料などに含まれる化学物質が原因となり、発症するものです。
 自然の木材にはそれらの化学物質を吸着する作用もあります。
 また子供のアトピー性皮膚炎の原因ともなるダニなども、国産材には抵抗力があり、日本の病害虫などの
 嫌がる成分が、桧・ヒバ・杉の赤身の部分などに、多く含まれています。

 また健康面でも精神面の健康も見逃すことは出来ません。
 シックハウスの諸症状の中に、頭痛・眩暈・集中力の欠如などがありますが、精神面のマイナス効果は
 大きなものです。
 最近、森林浴、森林セラピーなどの言葉が示すように、自然の木の香りは、心を落ち着かせ、
 リラックスした気持ちにさせてくれます。
 学校などの建築の際、自然のきを多用し、子供がコンクリートの校舎にくらべ集中力が増したなどの
 報告もあるそうです。

  環境面に関しては、このホームページの随処で申し上げておりますが、海外の木材の大量輸入で、
 森林乱伐を誘発し、その無計画な森林伐採による環境破壊は深刻な問題です。
 特に中国・インドネシアなどでは、森林の保水力が低下し、大雨による被害も多くなっています。
 また二酸化炭素を吸収し酸素を出す森の力も年々弱まり、温暖化の原因にもなります。

  北アメリカなどでも、1000年以上かけて出来た森を、大型の機械で伐採し、日本などにも輸出しているのです。
 その森がまたもとの姿に戻るまで1000年かかるのです。

 日本の木材で市場などに出荷される杉・桧の大半は、昭和の年代に、日本の住宅需要に対応するため、
 植林されたものです。
 しかし、外国の木材に比べ需要が少なく、丸太の値段は安いため、山を維持するための経費が出ません。
 そのため、山林を所有する林業者が、間伐や枝打ちなどの手入れをせず、放置したままの山林を
 多く見かけるようになりました。

 その様な山林の木は、成長できず、山の土にしっかり根を張れないため、大雨で土砂崩れを起こしたり、
 山の保水力が弱くなり、下流の町に洪水をもたらしたりします。

 自然林と違い、人工林は定期的新陳代謝が不可欠です。
 そのためにも、地元の木材を使い、健康と環境に配慮した家を建ててほしいと思います。


 健康で環境に優しい住宅を建築するために、考えなければいけない事項には
 どのような事があるでしょうか?


 まず住宅を建てる際、使用される建材を検討することです。
 その建材を検討する際も、多角的な見方が必要です。

 1つめは、その建材を製造する際の、環境負荷の問題です。
 化学建材などは、製造する際、石油などの化石燃料や化学物質を使用するため、環境負荷が大きくなります。
 そして、それらの製品を製造する際の、機械を動かす動力として、電気が多量に消費され、
 その消費量は無垢の木を、製材するのよりも、大きなものになります。
 その電気・石油・化学物質などの使用が、地球温暖化や環境破壊を促進させるのです。

 2つめは、実際に家を建てたときの、健康問題や環境問題です。
 これは、代表的問題としてシックハウスの問題です。
 このシックハウスの問題は、他の項目でも色々申し上げてるの詳しいことは別項に譲りますが、
 コストの安い家を建てても、このような病気になった場合の経済的損失は、そのコストを上回る
 程になるということです。

 現在はその対策として、自動換気による室内汚染対策が、建築基準法で義務付けられていますが、
 それにも問題はあります。1つは電力を使った換気のため、温暖化を促進すること。
 もう1つは、エアコンなどと同様で、機械のフィルターを通して換気をするため、フィルターにごみが溜まり易く、
 そこにカビが発生し、アレルギーや喘息などの健康被害を受けやすいことです。
 理想的には室内に化学物質の無い建材を使い、空気も自然に風が通り抜けるような間取りにして
 強制換気に頼らなくてもいいようにする事です。

 そして、建てた家や住宅設備を、その物自体のライフサイクルの面から検討する必要があると思います。
 例えば、太陽光発電」のような省エネ施設や断熱素材なども、それを使用する経済的メリットや、
 環境への貢献度の他に、その設備や建築資材を製造する際の、環境負荷やコストも考慮する必要があります。
 また、それらの製品の寿命を考え、トータル的にメリットの方が大きいのか検討します。

 最後にそれらの製品が寿命を終えて、廃棄する際の環境負荷やコストの面まで考えて、最終的な判断をして、
 家を建てるときに、使用する設備や建材の選択をしていただくのが良いと思います。

 数年前、建材メーカーの方が、太陽光発電のシステムの営業に来られた際、詳しい話を伺ったところ、
 初期投資に比べ、経済的メッリトは、それほど大きなものではなく、安直に環境面や電気料の低下面を考えて、
 導入を決めるべきでは無いと思いました。
 (現在は製品の性能も向上しているので、現製品のメリット・デメッリトを再度、検討する必要はあると思います。)



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